Xbox Series XとPlayStation 5の発売まであと1週間強となり、マイクロソフトとソニーの次世代機をめぐる議論はこれまで以上に白熱しています。ハード面ではどちらが優れているのか?もちろん、これは最大の議論の一つであり、根本的な類似点(両方ともAMDの技術をベースにしている)にもかかわらず、両機種にはかなりの違いがあるからです。
先日、Quantic Dreamの創設者でCEOのデビッド・ケイジ氏にWccftechがインタビューし、Xbox Series Xのシェーダーコアが機械学習(Machine Learning=ML)タスクに適していることを強調し、コンソールで nVIDIAのDLSSのようなパフォーマンスを向上させる画像再構成技術を実行できる可能性があると述べました。
ハードウェアを比較するのは、常に長所と短所があるので難しいことです。それは単にCPUやクロック周波数の問題ではありません。それよりも部品の整合性や、高度な機能の可能性の方が重要なのです。
両機のCPUは同じプロセッサを使用しており(XboxシリーズXの方が若干速い)、XboxのGPUもPS5のGPUよりも16%高速で、帯域幅は25%高速になっているので、よりパワフルな印象を受けます。SSDからの転送速度はPS5の方が2倍速いです。
Xboxのシェーダーコアは、機械学習に適したものとなっており、マイクロソフトがNvidiaのDLSS(AI向けの高度なニューラルネットワークソリューション)に相当するものを実装することに成功すれば、有利になる可能性があると思います。
全体的に見て、ハードウェアの純粋な分析ではマイクロソフトが有利だと思いますが、経験上ハードウェアは方程式の一部に過ぎないことが分かります。
ソニーは過去に、彼らのコンソールが最高のゲームを提供できることを示しましたが、それは彼らのアーキテクチャとソフトウェアが非常に一貫性があり、効率的だったからです。
DirectMLによる超解像技術 / Image: Microsoft
デビッド・ケイジ氏が言っている事は、現在マイクロソフトがプッシュしていることなのかもしれません。今週、マイクロソフトはXBOX公式ニュースサイトのXboxWireで、XboxシリーズSとシリーズXが、フルAMD RDNA 2アーキテクチャをハードウェアレベルでフルサポートした唯一の次世代コンソールであることが明らかにされ、マイクロソフトのエンジニアは、これらの機能に特にスポットを当てて紹介しました。(当ブログで日本語訳を掲載しています。)
XboxWire「私たちは、より良いNPCのインテリジェンス、よりリアルなアニメーション、そして機械学習(ML)による超解像技術によるビジュアルクオリティの向上のために、ハードウェアで加速された機械学習機能など、次世代のイノベーションをさらに導入しています。」
さらに、今週AMDは新しいRX6000シリーズのグラフィックカード発表の場で、NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super-Sampling)に代わるオープンでクロスプラットフォームな代替技術に取り組んでいるとAMDがアナウンスしていますが、これはPCとXboxシリーズの両方のハードウェアで使用できる可能性があることを示唆しています。PS5にも使えるのかどうかは定かではありません。
wccftechによると、Gaijin Entertainmentスタジオの開発者は先週、ゲームに「DirectML」を使用することをすでに模索していると話しているようです。
このマイクロソフトのDirect MLでのハードウェアの優位性が実現するのは時間の問題なのかもしれません。いずれにせよ、マイクロソフトはDirectX12 UltimateとXboxSeriesX、SeriesSを先代機以上に親和性を持たせているようなので、この辺りの機能は今後も要注目と言えそうです。
via wccftech
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