ユーロゲーマーのデジタルファウンドリーが、『ゴーストワイヤートウキョウ』のPC版の検証、そしてPS5との比較検証動画がYOUTUBEで公開されています。
idTech ベースの自社エンジンから Unreal Engine 4への移行は、明らかに開発チームにとって大きな助けとなったようですが、最近の PC 版の多くが、ハードウェアの性能に関係なく、ゲームプレイに影響を与えるレベルの不快なスタッター(カクツキ)が本作でもあるとの事。
これは特に Unreal Engine 4 のタイトルによく見られる現象なのはよく知られており、残念ながら『Ghostwire Tokyo』でも影響があるようです。レイトレーシング(RT)の機能はビジュアル面で注目すべき要素がたくさんあるだけに、このスタッターは本当に残念だとしています。
本作では、RT反射がふんだんに使われているようで、特に反射率の高い表面では、完璧な鏡のような効果を見れ、反射が鈍い素材にも適用され、ソフトに歪んだ見た目を実現しているようです。処理負荷はかかりますが、ライティングのリアルさには大きく貢献することは間違いありません。
雨の降る東京でのネオンやLED看板、光沢のある素材の多さからもRT反射は有効ですし、そのための濡れた路面なのでしょう。
しかし、唯一の欠点として、ガラスなどの透明な素材にRT反射がなく、スクリーンスペース反射(SSR)とキューブマップが予備として機能しているようです。
これは処理負荷を考慮すると、賢明な最適化とも言えると思いますが、DFは将来の動的解像度スケーリング導入などを想定して、透明なRT反射を追加オプションがあっても良かったかもしれないとしています。
RTシャドウもスポット的に適用されているようですが、頻度としては「非常に稀」との事で、最適化された設定でこの機能を使用する価値があるかどうかは分からないとの事。
PCでは、nVIDIAのDLSSが上手い具合で実装されていることですが、AMDのFSR 1.0(AMD FidelityFX Super Resolution1.0、現在は2.0に進化)はまあまあの出来のようで、決して良いとは言えないそうですが、それでも開発者がPS5で使用するには十分との事。
そしてアンリアルエンジン5(UE5)の機能であるTSR(Temporal Super Resolution)も含まれているようです。
DFによると、アンリアルエンジン 5(UE5)デモの『マトリックス:覚醒』で見られたUE5の機能のようですが、これらの事からも“UE4にもUE5の技術の一部導入されたことを示す証拠“だと指摘しています。
DFが、 AMDのFSR、 nVIDIAのDLSS、TSRを1080pから4Kにアップスケーリングして比較した結果、TSRはDLSSと同じ基本負荷で、FSR1.0よりはるかに高い品質を実現出来ているようです。
TSRは、プレイヤーの手や髪、植物、パーティクルエフェクトなど、カメラに近い高速で動くものなど、難しい要素ではDLSSの品質には及ばないものの、それでも印象的なようです。
TwitterユーザーのFPS & Tech Testingのデータマイニングによると、FSR 2.0とIntel XeSSのアップスケーリングもそのうち登場するかもしれないとのことです。
TSRはGhostwireのFSR 1.0ほど高速ではないとの事。しかし、RDNA 2グラフィックスカードを使用しているユーザーにとっては、検討する価値のある優れたソリューションとの事。
“最適化された設定”という点で、Tango GameworksがPlayStation 5向けにどのようにしてゲームをPC版からスケールダウンしたかをDFは検証したようです。
グローバルイルミネーション(GI)の設定は、PC版もPS5版ともにEpic の SSGI(スクリーン・スペース・グローバル・イルミネーション) ソフトウェアのレイトレース ソリューションを使用しているようですが、PlayStation 5 ではより処理負荷の軽い低精度のバージョンが使用されているとの事。
RTシャドウが使用されない場合、PS5ではPCのミディアム相当のシャドウマップ・プリセットが使用されているようです。RT反射はPCでの「低」品質設定になっているようです。
そして今回もトリプル A のタイトルが、おそらくは主にシェーダーのコンパイルに起因する、防ぎようのないスタッターが台無しにしているようです。
シンプルに言うと、GPUごとにシェーダーコードが異なるため、PCでは多様なハードウェア構成があるので、PS5のように市場に普及している全てが同じハードウェア、同一スペックとは異なるわけです。つまり、それが障害で開発者はコンパイル済みのコードをPC版では出荷することができないようです。
PC版では、シェーダーがコンパイルされ、オンデマンドでキャッシュされるため、ゲームプレイの体験に悪い影響を与えることになるという事のようです。
これは、他のタイトル同様に、初めて銃を撃つとき、初めて新しいエフェクトに出会うとき、初めて新しいメカニックを学ぶとき、すべてに1回きりですがスタッターが発生してしまうようです。
ゲーム中で初めて新しい要素が起こるたびに、例えば異なる形状の浮遊物とのインタラクションのように、微細な違いであっても、それぞれの新しい形状の浮遊物には、シェーダーコンパイルのスタッターが発生するとの事。
DFは、これでは誰もが通るゲームの1回目のプレイ体験を台無しにしてしまうので、どのゲームもこのような状態で出荷されるべきではないと指摘しています。
スタッターのないプレイをするには、最初に誰かにゲームを動かしてもらい、シェーダーをキャッシュして、2回目以降のプレイをスムーズに行うしか方法がない訳です。
DFは、「Tango Gameworksには、ロード中に必要なシェーダーをプリコンパイルするなどして、この問題を解決するよう強く求めます。」としています。
多くの有名タイトルがこのスタッター問題で出荷されていることが残念であり、ゴーストワイヤーの場合も、とても残念と言えるようです。
「『ゴーストワイヤートウキョウ』のRT反射はよく実装されており、素晴らしいスケーラブルなオプションがあり、UE5のTSRのおかげで非RTX GPUでも素晴らしい画質が得られることに感心した。」との事。
スタッター問題は本当に残念で、スタッターが発生してしまうことで、ゲームプレイやストーリーへの没入感を損ない、イライラしてしまいます。しかもこの現象はグラフィックスカードの性能問わず起きてしまうので、特にグラフィックスカードに高い金額の投資をしているユーザーならば、尚更です。
DFは「この問題には解決策があるのだから、何とかならないものかと期待している。」との事
とは言え、DFは「ゴーストワイヤー:トウキョウ」は、その技術的な構成において、多くの驚きを与えてくれるゲームで、開発元のTango Gameworks は、誰もが予想しなかったゲームプレイコンセプトを、これまでのタイトルとは全く異なるゲームエンジンに包み込み、並外れたレベルのグラフィックの精巧さを提供してくれた。」と評価しています。
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