ソニーが、「HALO」「デスティニー」の開発で知られるBUNGIE(バンジー)スタジオを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表しましたね。
ソニーは、人気タイトル「デスティニー」を開発するバンジーを傘下に収めることでFPSシューターで人気の高いタイトルの一つを手に入れ、マイクロソフトのアクティビジョン「コール・オブ・デューティー」買収に対抗すると思われます。
3週間前、米TAKE TWOによるモバイルゲーム大手のジンガを約1兆4000億円で買収、その約1週間後に米マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードを約8兆円で買収発表、そしてその2週間後に今度はソニーがバンジーを約4000億円で買収です。
今年は、まだ1ヶ月強しか経っていませんが、ゲーム業界の大型買収は早くも3件目です。今後、ゲームスタジオの買収戦争に発展するのでしょうか。。
ブルームバーグの報道では、ソニーのゲーム関連買収規模としてはここ10年で最大規模となるようですが、買収しても「バンジー」が独立した運営を継続するようで、プレーヤーにどこでも楽しんでもらう能力を維持するとの事。
買収手続き完了後にバンジーはソニー・インタラクティブ・エンターテインメントの独立した子会社となり、バンジーの現最高経営責任者(CEO)ピート・パーソンズ氏が引き続き、経営をしていくとの事です。
つまり、マイクロソフトと同様に、ソニーも買収はしたが、プレイステーション独占にはせず、他のプラットホームでも継続して提供するという事になりそうです。当然、買収交渉にあたり、ソニーとBUNGIEでそのあたりの取り決めもあったと思われます。
ブルームバーグは先日、アクティビジョンを買収したマイクロソフトが「CALL OF DUTY」の少なくとも今後の3作品は、ソニーのプレイステーション向けに継続して提供すると報道していますし、マイクロソフト・ゲーミングCEOのフィル・スペンサー氏も
私は、Activision Blizzard社を買収した際には、既存の契約をすべて履行する意向であること、そして『コール・オブ・デューティー』をプレイステーションで引き続き提供することを確認しました。ソニーは私たちの業界にとって重要な存在であり、私たちはその関係を大切にしています。
と、述べています。
関連記事:XboxゲーミングCEO:フィル・スペンサー氏「コール・オブ・デューティーは、今後もPlayStationで継続して提供します。」
ソニーは、マイクロソフトに対抗して“仁義なき買収戦争“に挑むような体力勝負は避けるべきと言えますし、当然ソニーもそれは得策ではないと考えているかもしれません。
S&Pグローバル ・マーケット・インテリジェンスによると、マイクロソフトの営業利益は、ソニーの約8倍に達するそうです。そのことからも、「ソニーはゲームタイトルを更に増強する必要はあるものの、アクティビジョンのような巨大なスタジオではなく、より小規模で独立系ゲーム制作会社の買収や提携に注力すべきだ。ハリウッドの映画スタジオ「ソニー・ピクチャーズ」や「ソニーミュージック」といったソニー保有するエンターテインメント資産は、今後もライバルに対して優位に作用するだろう。」としています。
ソニーがマイクロソフトの買収策に対抗し、何らかのアクションを起こすことは想定はしていましたが、意外なところを買収したなという印象です。BUNGIEは、デスティニーとは別に完全なる新規IPを開発中としているので、水面下での買収交渉の過程で、ソニーはその開発中の新作を確認した上で、その可能性を見出して買収したのかもしれません。
しかも「HALO」のTVシリーズの映像が初めてお披露目となる、トレイラーが公開されて間を置かずに「BUNGIE」買収発表というタイミングは偶然なのか、それとも狙ってなのか、真相は定かではないですが、随分と絶妙なタイミングだなとw
しかし、4000億円という買収額は、ジンガの1兆4000億円、アクティビジョン・ブリザードの8兆円から比べれば、今回の「BUNGIE」の買収は比較的お買い得なのかもしれません。
via ウォール・ストリート・ジャーナル
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