フィル・スペンサー氏「私たちのゲームは今後プレイステーションだけでなく、より多くの場所で見る事になるでしょう。」

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マイクロソフトゲーム部門のボスであるフィル・スペンサーさんがDanny Penaポッドキャストの中で、「プレイステーションだけでなく、多くの場所で我々にゲームを見ることになる。」と発言しています。

“PlayStationだけでなく、より多くのプラットフォームで私たちのゲームが出荷されることを意味します。 私たちは任天堂との仕事を愛していますし、SteamでのValveとの仕事も愛しています。 私たちのゲームは、より多くの場所で展開されるでしょう。”

この発言を聞くに、やはりマイクロソフトは徐々にプラットフォーマーから巨大ゲームパブリッシャーへとシフトしつつあるのかなと感じますね。

1年前のフィルさんの発言と比べると、聞かれても有耶無耶にしていたことが、現在では今回のようにハッキリと明言するようになった印象で、アクティビジョン・ブリザード買収以降、急速にシフトチェンジしたように感じます。

では、マイクロソフトはもうXBOXというプラットフォームを見限り、大手パブリッシャーになってしまうのか?今のところは公式に次世代XBOXの開発を明言していますし、XBOXハードウェアは重要とフィル・スペンサーさんも明言しているので、しばらくはそうはならないでしょう。

しかし、マイクロソフトは同社史上最大の規模の金額でアクティビジョン・ブリザードを買収しているので、株主を納得させるためにゲーム部門を増収に繋げ、回収していかなければなりません。成長させていかなければなりません。

そう考えると、現在2倍以上と言われているプレイステーションとのコンソールシェアの差、そしてコンソール市場の頭打ち状況を見るに、今までのXBOXコンソールで競争すると言う戦略から転換するのは理に適っているのかもしれません。

現在のマイクロソフトはXBOXコンソールより、自社のゲームをより多くのプラットフォーム、そしてより多くのデバイスでどこでもプレイ可能にし、より多くのプレイヤーを自社の月額契約のゲームパス購入に導く事が最優先になっています。

13年間在籍したIGNを辞め、最近独立されたDestin氏のインタビューで、フィル・スペンサーさんは「スターフィールド」が今のプラットフォーム(PC、XBOX)のままである可能性はあるか?という問いに「NO」と答え、自社のゲームがより多くのプレイヤー、デバイスにアクセス出来るようにする事が重要と強調しています。これはある意味、「スターフィールド」が他プラットフォームで出ると言っているようなものですね。

Destin氏は、最近のツイートで「コンソール戦争はもう終わったと思う。」と述べています。何が言いたいのかは “推して知るべし” です。Destin氏は、次は携帯ゲーム機での戦争になると思うと見解を語っています。

スペンサー氏は、前述のポッドキャストで携帯ゲーム機用Windows上でのXBOXについても話しており、マイクロソフトがそう遠くない将来のプランが垣間見れる事から、マイクロソフトは将来的にPC(Windows)とXBOXの融合を目指しているようです。

フィル・スペンサーさんは、

“独占タイトルではなく、ハードウェアのイノベーションによってXBOXが勝てるようにしたい。”

とも述べています。

“私は、人々がそのハードウェアの能力に基づいてハードウェアを選択し、それがどこでプレイしたいかという選択にどのように適合するかを考えてほしい。 私たちは、私たちが持っているハードウェアの能力に基づいて、私たちのハードウェアが勝利することを望んでいます。”

スペンサー氏は、“2025年に最も成功するゲームはどこにでもあるゲームだ。”と述べ、FortniteやMinecraftなどのゲームについて述べています。

“あらゆるスクリーンで人々と出会おうとするクリエイターにサービスを提供するプラットフォームを構築したい”

しかし、Destin氏はXBOXの最近の方針転換でXBOXコンソールのアイデンティを失っているのではないか?という質問にスペンサー氏は

“Xboxにとってハードウェアは “基本 “で、我々はハードウェアに全力を注いでいます。自社のハードウェアについては、XBOXが何であるかの基本だと思います。 私たちのブランドの名前に “箱 “が入っていることは忘れてはいません。私は今の立場からもハードウェアを我々の活動の重要な一部として見ています。”

フィルさんの言う、ハードウェアのイノベーションで勝つという発言は興味深いですが、それはPCとXBOXの融合に行き着くという事でしょうか。

デジタルファウンドリーでもこの事はテーマにされていて、並大抵の労力では不可能で非常に困難な道のりではあるが、実現すればこれはゲームチェンジャーになるだろうと言われています。

そう考えると、マイクロソフトの現在行なっているゲームパス中心の戦略、そして自社ゲームを他プラットフォームへの拡大展開というのは、将来の展開に向けた流れの道中なのでしょうかね。

マイクロソフトがサードパーティー化するという意見もあります。

あくまで個人的な推測ですが、マイクロソフトの「XBOX」というコンソールに次世代はあっても、それ以降はどうなるのか分からないという印象。実際、マイクロソフトは自社のゲームと繋がっているデバイスは全てXBOXですというトレイラーも公開しています。このトレイラーは良くも悪くも様々な反応がありました。

WindowsゲーミングサービスとXBOXゲーミングサービスが統合されたら、それは本当の意味で理想的ではありますが、デジタルファウンドリーのリチャードさんが言っているように、技術的にも作業的にも途方もない努力が必要で、非常に困難で険しい道ではありますが、その価値は大いにあるとは思います。

以前のマイクロソフトは、XBOXオンリーの独占ゲーム(Only on XBOX)を売りにして資金を投じてきましたが、今はXboxオンリーな独占タイトルはなくなりPCと同時展開が主軸になり、戦略の中心がXBOXハードウェアから、PC(Windows)とゲームパス関連に移行しているからです。これもコンソール市場の頭打ちで伸び悩んでいる事から成長するには多方面展開と言う事もあるからでしょうね。

しかも今回のフィル・スペンサーさんの発言、そして『インディジョーンズ:大いなる円環』(当初は他のプラットフォームには出ないと言っていた。)もそうでしたが、プレイステーションをはじめ、他のプラットフォームに今後多くマイクロソフト傘下のゲームが登場する事を明言しているので、前述した通り明らかにXBOXコンソールを売ることより、自社ゲームを多く売る、プレイしてもらう事、そしてゲームパスに多くのプレイヤーを導く事が優先事項になっています。

ま、1プラットフォーム独占タイトルという考え方自体が古い考え、そういう時代ではないという事ですよね。

マイクロソフトは、サムスンやアマゾンFire TVの特定機種、そして最近はLGのスマートTVにもXBOXクラウドゲーミングアプリを搭載し、XBOXがなくてもコントローラーさえあれば、ゲームもクラウドを通じてプレイできてしまいます。最近は、自分が購入したゲームもクラウドを通じてプレイ出来るようにもなりました。

ソニーも一昔前には到底考えられなかった独占タイトル(ソニー傘下のタイトル)がPC(Windows)版での発売が当たり前になりつつあります。

しかし、マイクロソフトと違うのは、プレイステーション独占タイトル(ソニー傘下スタジオ開発)は、発売から1年以降になっています。この点ではマイクロソフトとは違って、ソニーはあくまでもプレイステーションを中心に考えて展開しています。

そして、独占タイトルを映画やTVドラマ化などで展開を広げ、より多くの層に自社タイトルをアピールしてそのタイトルの知名度、ブランド力を向上させるという、これは映画会社を傘下に持つソニーにしか出来ない独自展開をしています。

これもソニーがXBOXの倍以上売れているからこそ可能なのでしょうけども、開発費は年々増加し続けている中で、今後もこのスタイルで継続していけるのかどうかですね。マイクロソフトの展開の仕方次第で、今後ソニーもPCへの移植スパンを1年以降ではなく、更に短くする可能性もあり得ます。

最近、マイクロソフトのショーケースイベント「デヴェロッパー・ダイレクト」でコーエーテクモ・ゲームズの開発チーム「チーム・ニンジャ」が「ニンジャガイデン4」と「ニンジャガイデン2」のUE5(アンリアルエンジン5)によるリメイク「ニンジャガイデン2 BALCK」を、マイクロソフトがパブリッシャーとしていたのには正直驚きました。

これもダスティン氏のインタビューで触れられており、2017年からフィル・スペンサーさんとサラ・ボンドさんのXBOXチームがコーエーテクモ側と取り組んでいた事を明かしており、プラチナゲームズとの契約に関してもフィルさんが触れているので、プラチナゲームズ開発に至った経緯、そしてこの2作品はマイクロソフトが持ちかけた話のようです。開発資金も出しているのでしょうかね。しかも、プレイステーションを含むマルチプラットフォーム展開です。

事実、2作品共に発売初日からゲームパスのリスト入りがアナウンスされ、ゲームパス・アルティメットメンバーは、発売初日から追加料金なしでゲームパスでゲームデータをダウンロードしてフルに遊べるタイトルですので、これもゲームパスへの誘導のためと言えます。この点ではXBOXに利点はありますね。

現在、XBOXを所有するメリットは以前のような独占タイトルがあるからというより、ゲームパスを利用出来る事が一番のメリットだと思います。私個人もそうです。

XBOXの象徴的でシンボリックな存在でもあった独占タイトル「HALO」「GEARS OF WAR」ですが、正直なところ個人的に以前ほどの存在感はないように感じています。ゲームとしての出来も含めてそう感じます。

一応、HALOは原点に立ち返ってUE5で新作が開発中で、「Gears of War」もUE5で原点に立ち返り、マーカスとドムの若き日を描く1作目の前日譚になるようですので、期待はしています。この2作がマルチプラットフォーム展開することは、さすがにないとは思いますが、今のマイクロソフトは分かりません。

だからと言って、私は今所有しているXbox Series Xを手放すことはまだ考えていませんが、XBOXコンソールのブランド自体の存在感がかなり薄くなっているのは否めないと思っています。

次世代XBOXがどのような内容になるのかは、以前のサラ・ボンドさんの発言(次世代XBOXは飛躍的な技術革新をする)からも興味深いのは事実です。

あとは、次世代XBOXがPS5Proで垣間見れたように、低解像度(1080P)でレンダリングし、高性能な機械学習AIアップスケール、または超解像で解像度(4K)を引き上げる技術を搭載する流れなのでしょうかね?

噂では、次世代XBOXでマイクロソフトはハードウェアを作らず、PCと親和性の高いOSとハードウェアのベース設計を設け、あとは仕様に合わせたハードウェアをサムスンやDell、ASUS他サードパーティなどで発売するという話もあるようです。

フィルさんはPS5Proが発表された時、700ドルのコンソールを出すつもりはないと述べていましたが、次世代XBOXの価格も気になりますね。もしフィルさんの言葉を真に受ければ、Xbox One XやXbox Series Xのような「史上最強のパワフルなXBOX」を売りにしたパワーコンソール戦略はやめるという事になりますが、どうやらそうでもなさそうですが、どうなる事やら、、

その点で前述したように、次世代XBOXがどのようなハードウェア構成、販売形態になるのか、いずれにしろ従来のコンソールという概念が変わりそうな噂もあるので、非常に興味深いと思います。

とにかく、フィル・スペンサーさんはXBOXというコンソール、もしくはXBOXで購入したゲームが様々なデバイスでどこにいても遊べるという事(携帯ゲーム機も含め)、そして自社のゲームが多くのプラットフォーム上で遊べるという2点にフォーカスしているので、それが次世代XBOX?のヒントになるのかもしれませんね。🔚

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