複雑さ、対立、そして国家安全保障上の重大な懸念。
2024年の国防権限法(NDAA)に盛り込まれる可能性のある未確認異常現象(UAP)の文言を巡ってワシントンの政治家の間で分裂が起きているようです。
このような分裂の要因は、利害の対立から生じているでしょうか?
筆頭に挙げられるにが、ロイド・オースティン国防長官です。
ジャーナリストのマイケル・シェレンバーガー、アンドリュー・モーハー、フィービー・スミスが『Public』で報じたように、「情報筋はオースティン国防長官が国防権限法(NDAA)法案に含まれるUAP修正案を弱体化させようとしている。」と述べています。
オースティン国防長官は、国防請負業者(軍事企業)レイセオン・テクノロジーズの元役員で、シューマー修正案への懸念を表明する動機としてこの背景が影響を与えている可能性があるようです。
シューマー修正案は、国防請負業者が保有している可能性のある、「人類起源ではない未知の物質」や「人間ではない未知の生物学的証拠」に対する土地収用権を米国政府に認めるものです。
かつてレイセオンの元役員という直接的な関係があったこととは別にしても、オースティン国防長官はこのような文言(UAP)が国防権限法に認められれば(法律として成立すれば)国家安全保障を危うくすることを恐れている、と言われています。
そもそもこのシューマー法案のUAP条項はどこから生まれたのでしょうか?
上院院内総務のチャック・シューマー議員が提出した修正案は、ホワイトハウス関係者と共同で起草されたものだそうです。
Liberation Timesによると、ホワイトハウス内のオースティン国防長官の同僚議員らは、UAP関連の国家安全保障上の懸念を必ずしも共有はしていないようです。
バイデン大統領のジェイク・サリバン国家安全保障アドバイザーを含むホワイトハウス内の一部の高官たちが、元上級情報将校デビッド・グラシュ氏による深刻な国家安全保障関連のUAP情報の内部告発の後、シューマー修正案が必要だと判断したようです。
しかし、この法案作成の主なきっかけの一つとなったのが、2023年2月に起きた3つの未確認物体撃墜事件だったそうです。
この撃墜事件の後、海軍の上級司令官がジェイク・サリヴァンに接触したようで、ホワイトハウスは、オーストラリアのジャーナリスト、ロス・クルサートが以前報じた、未知の墜落物回収とその物体のリバースエンジニアリングによるUAPプログラムの疑惑を知ることになったそうです。
ジェイク・サリバンとロイド・オースティンの見解の相違は、UAP問題の透明性と誠実さを重視する人々が懸念する一面に過ぎないようです。
潜在的にはもっと多くのことがあるようです。もしオースティン国防長官がUAP関連の情報に透明性を持たせる事に反対しているのであれば、オースティン国防長官の副官であるキャスリーン・ヒックスが率いる国防総省のUAP事務局(AARO:All-domain Anomaly Resolution Office)の監督者としては透明性に疑問を投げかけることになります。
AAROのディレクターであるショーン・カークパトリック博士がUAPプログラムの疑惑を探っている間に、オースティン国防長官やサリバンといった政府最高レベルの人々は何が起きているのか既に気づいているようです。
Publicでは興味深い指摘は、元国家情報主席副長官ステファニー・オサリバンに関するもので、記事の中で情報筋によれば、彼はUAPの墜落事故の回収とリバースエンジニアリングプログラムについて知っているそうです。
上院情報委員会のマルコ・ルビオ副委員長にUAPプログラムへの認識を否定したステファニー・オサリバンは、現在「エアロスペース・コーポレーション」の理事を務めているそうです。
オサリバンがCIA内で以前担っていた役割は、ルビオ上院議員にUAPプログラムを明らかに否定したことを説明する上で重要だったようです。
オサリバンはCIA科学技術局副局長を経て、CIA副局長となりました。
CIAは以前からUAP墜落物回収プログラムにおいて重要な役割を果たしている可能性があると言われており、UAP技術を独自の用途に利用しようと考えている可能性があるようで、公になる事を懸念しているようです。
ステファニー・オサリバンは現在エアロスペース社で働いているようです。そしてエアロスペース社がAAROと協力しているように見えるようです。
ワシントンD.C.内にはこのような利害の対立が各所に存在し、国防請負業者との表裏一体の関係も相まって、行政府の元メンバーも現メンバーも、微妙なラインを踏み、目の前にある潜在的な法的影響を認識しているのかもしれません。
さらに、CIAの科学技術部門はUAPの隠蔽に関与している可能性があるとして、議会内で監視の目が厳しくなるかもしれないとの事です。
以上の背景、繋がりからも国防権限法(NDAA)を巡るUAP問題に対して、明らかに見解の対立、利害の対立が起きているのは確かです。その中でCIA、空軍、軍事企業、そしてそれらと繋がっている議員が、壁となっているように見えます。
ロイド・オースティンが国防長官が本当に懸念しているのは、国家の安全保障なのか、それとも軍事企業のレイセオン・テクノロジーズの利益なのでしょうか?両方とも言えると思いますが、個人的には後者の要素が大きいと見ています。
そして、ステファニー・オサリバンは誰の利益を代弁しているのでしょうか。アメリカ国民と民主的監視の利益なのか、それともCIAと、自身が関係のあるエアロスペース社の利益なのでしょうか?これもオースティン国防長官と同じ、後者でしょうね。
このようにUAPプログラムに関して、現、そして元政府高官に関する疑惑が浮上しています。もし事実なら、これらの高官たちは重大な隠蔽工作に関与している可能性があります。UAPの秘密が公になると、その背後にある超テクノロジーが露呈し、軍事企業だけでなく、アメリカの国家安全保障面でも大きく利益を損なうのかもしれませんね。
しかし、そのような技術は人類発展のためにも、公共の様々なところで使われるべきであり、温暖化やCO2問題がそれで大きく改善するかもしれないのです。
結果的には一部の権力者の利益のために、その発展を阻害しているのかもしれません。
唯一の希望はシューマー修正案が可決され、一部の権力者連中は秘密の番人ではなく、公式の情報開示プロセスを通じて透明性をより推進する流れになる事です。
今後のUAP情報の行方を左右する重要なシューマー修正案が成立するか否か、、数十年に一度と言える大きなチャンスは、重要な局面に来ていると言えるのかもしれません。🔚
via TheLiberationTimes , Public
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