AP通信の報道によると、サウジアラビアの政府系ファンドThe Kingdom’s Public Investment Fund(PIF)は、現在、任天堂の株式約8.26%も保有していることが、PIFの提出書類で明らかになったようです。
同ファンドは、昨年2022年5月に初めて任天堂の株式を5.01%取得、今年に入ってから更に持株比率を高め、今年2023年1月には持ち株比率が6.07%、今週初めには更に1%買い増しされ、7.08%にアップさせたとの事。
任天堂はこれまで、PIFが最初の株式を大量取得した際、この取引を知らず報道で初めてサウジの出資を知ったと主張してました。今回の更なる買い増しの動きについて、まだコメントを出ていないようです。
近年、ゲーム業界への投資を精力的に行っている「PIF」は、石油からの収益に頼らないサウジ経済を目指していると言われているムハンマド・ビン・サルマン皇太子の中心的な存在だと言われているようです。
PIFは、2020年12月にコール・オブ・デューティーで知られる「アクティビジョン・ブリザード」FIFAやバトルフィールドで知られる「エレクトロニック・アーツ」、そしてグランド・セフト・オートで、知られるロックスターの親会社「テイク・ツー」の株式を約30億ドル超相当(約4,000億円)で取得しています。
Axiosのレポートでは、12月に米国証券取引委員会(SEC)に提出された書類から、サウジアラビア政府系ファンドがEAへの出資比率を5.1%から5.8%に、Take-Twoへの出資比率を5.3%から6.8%にまで引き上げていることが判明しています。
ナスダック市場のデータによると、同ファンドはアクティビジョン・ブリザードに29億ドル(約3,800億円)、EAに17億ドル(約2,280億円)、テイクツーに12億ドル(約1,600億円)相当の株式を保有、ゲーム関連株に1兆円ほどと巨額の資金を投じています。
PIFは、他にもカプコンの株式も取得しており、ゲーム関連株を集中的に買い漁っているようです。潤沢なオイルマネーがゲーム関連企業に流入する事は、良いことではありますが、2018年にジャーナリストのジャマル・カショギ氏が殺害された事件で、アメリカの情報機関は背景に皇太子の指示があったと非難しています。
人権問題でも度々話題になる国の政府系ファンドが、ゲーム企業株の大量取得に懸念を感じている関係者もいるようです。
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