アクティビジョン・ブリザード社に対して、同社の株主2名から訴訟が起こされたようです。
最初の提訴は、米カリフォルニア州のカイル・ワトソン氏によるものだそうで、この訴訟でワトソン氏は、「マイクロソフトによるActivisionの買収計画は、多くの理由で不当である。」と主張しているようです。
ワトソン氏の弁護士によると、その理由のひとつは、同社の取締役会が「自分たちと上級管理職のためだけに、多くの直接的な利益を調達しようとしていることだ。」と述べているようです。
特にこの買収取引は、アクティビジョン・ブリザード、ワトソン氏や同社の株主にとって「最善の利益ではなく、アクティビジョン・ブリザード役員や取締役にとって有利な利益をもたらすものだ。」と指摘されています。
また、Bobby Kotick CEOのような一部の幹部が、マイクロソフト社から理由なく解雇された場合、申請書の報酬案によるとコティックCEOは1,500万ドル(約17億3千万円)の「ゴールデンパラシュート」を得ることが出来ることについても触れているようです。
他にもAXIOSによると、マイクロソフトとアクティビジョンは、アクティビジョンの取締役会が同社の企業文化の改善が認められた場合、コティックCEOは7月以降に2,200万ドル(約25億4千万円)もの株式を受け取る提案をしているようです。
そして、2月25日にはアクティビジョン・ブリザードとその取締役会に対して、今度はニューヨークの裁判所に2件目の株主代表訴訟が提起されたそうです。原告のシバ・スタイン氏は、同様の訴えを裁判所に起こしているようですが、具体的には「アクティビジョン・ブリザードの委任状開示が十分でない」というものだそう。
しかし、ロイターによると、訴えを起こしたスタイン氏は米国で米証券取引委員会本体に次ぐ「多くの」証券訴訟を起こしている人物でちょっとお騒がせな「物言う株主」のようです。
法律データ会社のレックス・マキナは、昨年2021年に彼女(スタイン氏)が2018年から2020年の2年で、なんと124件の証券訴訟を起こしたと報告しているようです。
しかし、彼女が2021年に起こした訴訟の約半分は、自主的に棄却したようです。ロイターによると、スタイン氏の弁護士は自主的に棄却した理由は、「被告企業が、一般株主に十分な情報を提供するための正しい情報開示を行ったからだ。」と述べているとの事。
ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、コティックCEOとアクティビジョン・ブリザードはすでにSEC(米国証券取引委員会)の調査を受けているようで、マイクロソフトの買収はSECの審査を受ける見込みです。
マイクロソフトは、2023年6月末までにアクティビジョン・ブリザードの買収を完了させる意向です。
驚いたのは、今回の買収関連の中で、ボビー・コティックCEOや同社役員が受け取る報酬の額ですね。。10億円〜20億円もの報酬を得られるようで、そのあたりも訴訟項目の一つになっているようです。
マイクロソフトのアクティビジョン・ブリザードの買収も、当局から承認されなければ成立しないので、2023年6月末までと言われている期限までは、買収確定とは言えませんので、気になるところです。
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