Windows Centralが、Xbox Series Xについてどう感じているのか、各スタジオのゲーム開発者に聞いたインタビューが掲載されていたので、ポイントを抜粋して紹介したいと思います。
THE LONG DARKで知られるHinter Land Gamesテクニカルディレクタージョエルベーカー氏
私にとって最もエキサイティングなのは、SSDにカスタムハードウェアを追加して、メモリへのデータの高速化を支援している事です。これによって、ストリーミング時間と読み込み時間が劇的に改善されるだけでなく、メモリーに簡単に収まらない大きなデータセットの作業が容易になります。ハードウェア・レイトレーシングの追加も非常に興奮しますが、最大の変更を可能にするのはグラフィックス以外で使用できる方法です。The Long Darkのようなゲームで、その潜在的な使用法を既に確認できています。そこでは、いくつかの光線をゲーム世界に送り、雪が積もっている場所に基づいてオーディオと物理効果を動的に変化させることで、物理的に正確な天気と風をシミュレートできます。これらは、以前は簡単には達成できなかったいくつかの没入型の体験を可能にするでしょう。
Ori シリーズで知られるMoonスタジオのテクノロジーディレクター ジェナディ・コロル氏
高いリフレッシュレートにクレイジーな高解像度でゲームをプレイすることは、ゲームにおいて次の大きなステップです。Ori and The Will of the Wispsを120fps、4K解像度(3840x2160P)でプレイした人なら私が何を言っているのか分かるでしょう。 以前は、PCに30〜50万円以上費やしハイエンドシステムを組んだ限られた人にしか、この体験は出来ませんでした。このような性能と品質を一般の人々にもたらすことは私にとって非常に興奮することであり、それが私たち全てが待ち望んでいた真の次世代の飛躍になると思っています。
スナイパーエリート、ソンビアーミー4で知られるRebellionテクノロジーイノベーションチーフ、ケビン・フロイヤーリア氏
ゲーム制作のビジネスに携わっているなら、新しいハードウェアと、それがゲーム開発にとって何を意味するのかについては常に興奮しています。何よりもまず、XboxシリーズXは、Xbox Oneのパフォーマンスを本当に大幅に向上させます。前世代ではフレームレートと解像度の両方がどれほど重要であるかを見たので、ゲーム機で毎秒60フレームの4Kゲームを配信できるのは非常にエキサイティングです。 Xbox One Xで提供したのは、プレーヤーが4K解像度か、高いフレームレートのどちらかを自由に選択できる機能でした。この点に関して、ゲーマーにさらに多くの選択肢を与えることは良いことだと思います。処理能力の向上により、長距離弾道力学など非常に滑らかなゲームプレイをピンポイントの精度で提供できるだけでなく、そのゲームプレイを複雑なレベルまで引き上げることができます。
ハードウェア動作によるレイトレーシングも非常に歓迎される機能です。これにより、プレイヤーをより現実的で動的な環境に導けるだけでなく、レイトレーシングハードウェアはレンダリングだけではないのです!たとえば、サウンドを使って驚くべきことを行うことで、リアリズムを高めることができます。たとえば、AIの聴覚のリアルなサウンドオクルージョンをリアルタイムでモデリングすることは、ステルスゲームを作成するのに非常に役立つ機能です。
更にSSDストレージの速度、ローレベルでアクセス可能の恩恵で、これらの美しい現実的な環境を利用して、瞬時にロードすることができます。また、Xbox Oneで作成できる環境よりも大きな環境について話しています。
アニメーションストリーミングは、モーションキャプチャのゲームチェンジャーです。これによってプレーヤー以外のゲームキャラクターがバックグラウンドで動作するように、より広いスケールで詳細なモーションキャプチャをサポートできるようになりました。たとえば、すべての敵NPCが同じ動きで移動するのではなく、SSDストレージの速度は、多彩でユニークなモーションキャプチャアニメーションを提供できることを意味します。
ギアーズ4、5で知られるThe Coalitionスタジオのテクニカル・ディレクター マイク・レイナー氏
ゲーム開発者として、期待をはるかに超える最もエキサイティングな改善の1つは、Xbox Series Xの大幅なI / Oの改善です。現在の世代では、ゲーム世界の忠実度とサイズが増加するにつれて、ダウンロード時間とインストールサイズが増えます。そしてランタイムI / O要求が増大、増加するのでロード時間を維持し、詳細な損失なしにゲーム世界のストリーミング要求に対応することが困難になっています。 Xbox Series Xは、この課題に直接対処するようシステム全体が設計されています。
Xbox Series Xでコードを変更することなく、ロード時間を4倍以上短縮できました。新しいDirect Storage APIと新しいハードウェア圧縮解除により、I / Oパフォーマンスをさらに向上させ、CPUオーバーヘッドを削減出来たからです。どちらも高速読み込みを実現するために不可欠です。 Xbox Series Xのストリーミング用サンプラーフィードバック(SFS)技術は、将来を見据えて、ゲーム世界のストリーミングと視覚的な詳細レベルについての考え方を変えるものです。今後のタイトルでこれを使用して、ゲームのテクスチャの詳細をメモリに収めることができる範囲を超えて増やす方法と、オンデマンドの読み込みを必要になる直前に増やすことで読み込み時間をさらに短縮する方法の両方を検討します。
Dead By light、DEUS EXで知られるSnowed In Studiosのチームリード、アレキサンドル・サボウリン氏
レイトレーシング技術は、より現実的で柔軟なアートディレクションを可能にします。活用できるレイトレーシングに関する多くの研究があり、いくつかの非常に興味深い概念につながる可能性があります。反射、ソフトシャドウ、屈折、透明度などです。これがゲームグラフィックスにとって何を意味するかというと、開発者がこの技術の使用方法に関する新しいアイデアを作り出し、今までとは異なる方向の世界を作り出す事を意味します。
処理能力は常に、開発者がより広い世界、より複雑な相互作用を作成し、より多くのコンテンツをゲームに含める能力を向上させるのに役立ちます。また、開発者が最適化に費やす時間を減らし、開発により多くの時間を費やすこともできます。パワーに関しては、チップ効率も重要です。
ハードディスクドライブは常に、開発者が対処しなければならない厳しい制約でした。 SSDには、シーク時間の必要性をなくすなど、いくつかの興味深い利点があり、データをディスクにパックする方法に柔軟性がもたらされる場合があります。もちろん、読み取り時間も改善されます。 SSDは、HDDよりもはるかに高速にデータを提供できます。これは、画面の読み込みを軽減し、大きな世界をより効率的にストリーミングする能力を向上させるのに役立ちます。
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次世代のXbox Series Xへの飛躍は、Xbox360からXbox Oneで得られたものよりも遥かに大きくなると思われます。その大きなステップアップの一つが、高速なNVMe SSDドライブが遂に標準装備となった事。
ゲーム機の利点は、全てが同じハードウェア仕様なので、その仕様に合わせて最適化出来る事です。つまりSSDが標準搭載され、ハードウェアレイトレーシングや12テラフロップスのパワーに妥協なく最適化されるので、ゲーム機の性能がここまで向上した次世代機にフォーカスし最適化されたゲームは今まで以上に大きく変わる可能性を秘めているのかもしれません。
これは、Play Station 5にも言える事で、10テラフロップスのパワーと5.5GB/sという爆速SSDが標準搭載され、リニアモーターによる高精度なプログラムが可能なハプティック(触覚)エンジンを搭載したコントローラーで最適化されるのです。特に爆速SSDで最適化されると、ゲームにどのような変化が生まれるのか、これこそ個人的に非常に興味深いところです。 🔚
via Windows Central
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