マイクロソフトが次世代XBOXコードネーム、プロジェクト・スカーレットを正式に発表。驚愕の高性能な一部が判明。

マイクロソフトが6月10日E3 2019でのXBOXカンファレンスで、次世代XBOXのコードネームProject Scarlett「プロジェクト・スカーレット」を正式に発表しました。

以前からスカーレットというコードネームはリーク情報でも出ていましたが、6月10日に正式発表され、リーク情報のとおりでした。

発表にあわせてプロジェクト・スコーピオ(XboxOneX)の時と同じスタイルのトレイラーも公開され、そこで断片的ながらスカーレットの驚異的な性能の一端が明らかに。

CPUが非力と言われたジャガーから強力なZEN2に

メインのチップは、カスタムデザインされたAMDのZEN2 CPU、最新Navi GPUが採用。これで遂に非力と言われたジャガーコアから脱却し、CPUの処理性能だけでも4倍近い向上になります。この恩恵は、フレームレートや通常動作のレスポンス向上にも大きな効果がありそうです。この構成は、既に明らかにされているPS5も同様で、この事からも両次世代機ではゲームは勿論、通常のUIの動作もサクサク軽快、快適に動くのは確実だとおもいます。

トレイラーで公開されたメインチップ(SOC)の一部?

スカーレットは最新の広帯域メモリGDDR6を採用

そして処理性能はなんと、XboxOneXの約4倍(6テラフロップスx4=24テラフロップス相当?)で、その性能を達成するために最新の広帯域メモリGDDR6が採用されると言及されています。しかしXboxOneXの4倍というのは、現時点で10数万円するPCのハイエンド・グラフィックカードでもあり得ない程に高いスペックなので、GPU単体のスペックではなくCPUの処理速度を含めた、総合的な処理速度を意味しているんでしょうね。実際、マイクロソフトは今回の発表では、XboxOneXでキャッチコピーのように使っていた、「テラフロップス」という数値には一切言及していません。

スカーレットのGDDR6チップは2GB/14Gbps?

リーク情報ではGDDR6 16GB採用と噂されてましたが、GDDR6に関してはリーク通りの内容となっています。ところが、公開されたトレイラーで一部見えたGDDR6のチップの映像から、サムスン製のK4ZAF325BM-HC14という型番のチップである事が判明しています。そして型番から2GB/14Gbpsのチップという事が判明、公開されたトレイラーのアングルで見た限りではチップが8個までが確認されています。

公開されたトレイラーで見えたサムスン製GDDR6のチップ。型番が見えます。
トレイラーで見えたサムスン製GDDR6チップの型番は、K4ZAF325BM-HC14と判明

XboxOneXがGDDR5/1GBで12チップ搭載12GBで326GB/sなので、もしスカーレットがHC14/2GBチップでXboxOneXと同様に12チップ載っていると、容量は24GBで帯域672GB/sというとんでもないスペックになります。

XboxOneXのGDDR5チップは12個搭載

とは言え、さすがにGDDR6を24GBも載せるのは、コスト面で制約のあるゲーム機(コンソール)なので、現実的に考えるとHC14 2GB/14Gbpsを8チップで16GB、帯域448GB/sが現実的な線ではないかなと。それでも最もパワフルなゲーム機でもあるXboxOneXの326GB/sから122GB/sも向上するわけですから、相当に強力な性能なのは間違いですね。

今回発表されたトレイラーではチップに載せられた極厚のヒートシンクやベースプレートも。
驚異的な性能を感じさせます。

ストレージはPS5と同様に次世代高速SSDを採用

そしてストレージは、次世代の高速SSDとバーチャルRAM(仮想メモリ)とを組み合わせ、なんと現行XboxOneXの40倍も高速になるとの事。先にソニーがPS5試作機で、高速SSDを採用しオープンワールドのスパイダーマンゲームの読込速度が、数十秒から1秒未満にまで短縮する驚異的なロード速度を披露してますが、マイクロソフトの言う40倍高速となると、それ以上(ここまでのレベルになると微々たる差でしょうけどw)の驚くべき高速な読み込み速度という事になります。マイクロソフトのエンジニアがバーチャルRAMを使うと明確に言っているので、広帯域のスロットに直付けされた次世代高速SSDに、GDDR6を合わせて使う事が推測されます。これはかなり強力なので、それによって現行機のロードスピードの約40倍という驚異的な速度も可能なのかもしれません。

次世代高速SSDとは次世代NVMe M2 SSDの事か

次世代レイトレーシングはハードウェアで動作

他にも次世代リアルタイム・レイトレーシングが、ハードウェア・アクセレーテッドで動作する事も明らかにされました。レイトレーシングの対応は、ソニーも先日アナウンスしていますが、具体的にハードウェアで動作すると言及したのはマイクロソフトが初めてです。マイクロソフトは「次世代レイトレーシングのリアルタイム・ハードウェア動作は初」とスカーレットのトレイラーで明言。現時点でPCのハイエンド・グラフィックカードでしか実現出来ないレイトレーシングが、来年発売の次世代ゲーム機で最新世代のレイトレーシングで対応するという事は驚くべき事です。XboxOneXでも感じた事ですが、ハイエンドPCとゲーム機のグラフィックスの差は前世代に比べたら確実に縮まりつつあると実感しますね。

レイトレーシングOFFでは、地面や車表面に炎の反射が反映されていない。
レイトレーシングONでは、地面、車に炎の反射が反映され、現実世界に近い描写が可能に。

スカーレットは『最もパワフルで最も高性能なゲーム機』と宣言

マイクロソフトのXBOX部門のボス、フィル・スペンサー氏は発表の場で

Project Scarlet The Most Powerful and Highest Performing Console.

(プロジェクト・スカーレットは最もパワフルで最も高性能なコンソール。)

とアナウンスしました。これは、XboxOneX発表時にも「Most Powerful Console Ever Made」今までで、最もパワフルなコンソールと言ったように、今回のスカーレットも最上級表現を多用している事から、暗にPS5より高性能ですと言うメッセージのようにも聞こえます。実際には両機が正式にお披露目されてからでないと分かりませんが、XboxOneXでの前例があるだけに色々と勘ぐってしまいますねw

そして米国マイクロソフトの公式サイトの説明欄では、「4世代に渡るゲームがスカーレット上で最も良く見え、ベストなゲームプレイとなる」と説明しており、4世代に渡るゲームがスカーレット上で動作し、尚且つXboxOneX EnhancedのようなスカーレットEnhanced?で品質向上する事を仄めかしています。

この表記からスカーレットでも後方互換は充実しそうです。

ソニーとマイクロソフトが正式に次世代ゲーム機を発表したので、今後発売までの1年半という期間に、徐々に情報が出てくるでしょう。今後の情報からも目が離せません。 🔚


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